奈良墨のひと(読みもの)
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産地を支える人々。
奈良の墨づくりには何百年にも渡り、脈々と受け継がれてきた歴史があります。
ここでは奈良の墨づくりに深く携わってきた人たちの「技術(わざ)」や「想い」を、
1人でも多くの方に知って欲しいという願いを込めて、紹介していきたいと思います。
たった1つの墨をつくりあげる工程には、墨づくりに人生を捧げる、携わる人達のドラマがあります。
こちらの記事を読んで少しでも奈良墨に興味を持って頂ければ幸いです。
※ご紹介させて頂く職人の方は錦光園所属の職人・関係者の方ではありません。
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墨型彫刻師 中村雅峯なかむら がほう
日本で1人、最後の「墨型彫刻師」
奈良墨の製造において、1番最初に職人の技が必要になる工程。それは「墨型」です。
主に梨の木で作られるので「木型」とも言われています。
墨づくりに欠かせない専用の木型を製作する、専門の墨型彫刻師である中村雅峯さん。
「奈良墨のひと」記念すべき第1回目はこの方のご紹介から始まります。 -
奈良墨磨業 鈴木育弘すずき いくひろ
小さな違いの価値を伝える「みがくひと」
墨を磨(みが)く? 墨を洗う?
一般的には聞き慣れない表現ばかり。
実はそれらは全て、製墨における大事な「仕上げ」の工程です。
くすんだ黒色の墨に艶やかな衣を身に纏わせ世に送り出していく・・・
そんな裏方の仕事をする職人さんのお話です。 -
紀州松煙 堀池雅夫ほりいけ まさお
消えゆく松煙墨を守る、本物志向の多才人
墨の原材料である煤(すす)。
その昔、中国から日本に渡ってきた墨は松の木から採取した煤でつくられた松煙墨(しょうえんぼく)と呼ばれる墨でした。
「はじまりの墨」とも言える松煙墨。しかし、今まさに墨づくりに使用される国産の松煙が消えようとしています。
今回はそんな松煙をつくられる職人さんのお話です。 -
朱墨職人 木下勝章きのした まさあき
現代に生きる職人、その1つの在り方
木下さんは今やつくり手が殆どおられない「朱墨」をつくられる職人さん。
一般的にはあまり馴染みの無い朱墨。
ただし、それは古来より日本人が大事にしてきた大切な色。
今回はそんな朱墨とともに、従来の職人さんのイメージとは大きく異なる、木下さんの考え方・働き方を掘り下げつつお話をしていきます。 -
一心堂 小島正道こじま まさみち
職人の魂を秘めた家族の静かな誇り
書道関係者であれば知る人ぞ知る奈良の名店「一心堂」。
店舗のルーツは職人。墨づくりに欠かせない材料である煤(すす)を採る職人であった祖から始まり、墨づくりやその後の筆づくりへ。そんな職人の魂を静かに漂わせ、店舗に立たれる店主の小島さんとそのご家族のお話です。 -
日本画家 杉本洋すぎもと ひろし
膠(にかわ)とともに、地域活性の未来を描く
今回ご紹介するのは、奈良県五條市にアトリエを持つ杉本さん。
日本画家でありながら、絵画の画材としてはもちろん、固形墨の原料として使われる膠(にかわ)を、仲間の方々と共に古典的な製法でひとつひとつ手づくりしています。
杉本さんのすごいところは、膠の製造だけにとどまらず、20年、30年先の未来を見据えてアグレッシブに活動されている点。
その背景にはどんな考えがあるのか、杉本さんにお話を聞きました。
今後も定期的に奈良墨に関わる方々を引き続き紹介して参ります。