すみからすみまで墨のおはなし

【全国行脚】 『法相宗大本山 興福寺』~奈良 編~

子供の頃から当たり前のごとく、近所にある奈良公園、猿沢池、五重塔、南円堂。

それらがある光景はあまりにも当たり前過ぎて、子供の頃からただただ散歩の通り道。

子供の時はその凄さ、有難みを全く感じませんでした。

恥ずかしながら、大人になって初めてその凄さに気付く訳で・・・

 

 

昨年から始めた墨の魅力を伝える活動「すみからすみまで墨のおはなし」。

今回は初の地元開催ということで奈良、そして場所は興福寺さん。

南円堂前の元休憩所という素晴らしい場所で開催させて頂くことになりました。

 

 

今から約600年ほど前に、墨の原材料である煤(すす)、その中でも現在の主流を占める油煙を使った墨を造り出したのがまさにこの興福寺。

それ以降、奈良の墨は「南都油煙墨」と呼ばれ、現在の墨の産地として確固たる基盤が出来ていきました。

日本の墨にとっても興福寺ほど関係性の深い場所はありません。

今回ご縁があってこの場所で開催させて頂いたのは本当に意義深いものがあります。

興福寺さんとしても、地元奈良の工芸や文化を興福寺に訪れる沢山の国内外から来られる観光客の方にお伝えしていきたいという意図があったそうで、今回お声がけして頂きました。

 

 

当然奈良に住んでいるので分かってはいたことなのですが、とにかく観光客の方が多い。

今は特に海外の方々。

奈良も完全に観光客の方が戻ってきた感がありいよいよ数年前に戻りつつあります。

 

 

墨づくりの製造実演や書道体験、墨の展示・販売など行ったのですが、製造実演をしているとすぐに人だまりが出来てしまう状況。

欧米の方々などは特に書道体験が大好評で、皆さん興味津々で筆を取られていました。

 

 

一つの道具(今回でいえば墨)だけを説明しても、異国の文化ということもあり、その使用方法や何の為にそれを使うといった所まで深く理解するのは難しい。

ただ今回は書道体験を織り交ぜることにより、墨の存在を知って頂くことに繋がったのかなと思います。

奈良の伝統産業、日本の文化を知って頂くにあたりこの上ない場所で体験して頂けたのは凄く良かった。

またそれ以上に、来て下さった方々が皆、笑顔で帰っていかれたのが何よりも嬉しかったです。

 

 

そして、地元ということもあり、地元の知り合いの方はもちろん、SNSのフォロワーの方など、直接会いに来て下さる機会も沢山ありました。

中には連日寄って頂いた方も。

 

 

びっくりしたのは毎日、興福寺に来られる方が本当に多いということ。

皆さん顔馴染みで会う人会う人が挨拶され、談笑されてました。

こういうのもまさに地域に根差した地元だからこその光景ですね。

 

 

個人的には地元(物凄く近所)で開催しているのは本当に気が楽でリラックスしながら楽しめました。

何せいつもの散歩道。

子供とも歩いてしょっちゅう来る場所ですから 笑

 

「すみからすみまで墨のおはなし」初の地元開催となった奈良、興福寺。

また機会があればここで開催したいなと心底思えたあっという間の4日間でした。

 

※写真の人形はメキシコの観光客の方から、メッセージカードは地元の小学生とそのお母さんから

 

 

 

 

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