七代目の挑戦

墨を受け継ぐ

 墨屋さんなので当然の如く、墨は大量に在庫があります。墨の場合は何年か先を見越して作り置きしておかないといけません。乾燥の期間に最低でも2~3年はかかるのがその理由なのですが、計画や見込みが本当に大事な仕事だとつくづく思います。いまの時期、錦光園では在庫の整理をしているのですが、膨大にある在庫を調べていると、今はもう廃業された墨屋さんの墨が沢山出てきます。

 

 昨今の需要減から奈良の墨屋さんもどんどん廃業されているのですが、墨屋さんが廃業された時、当然のことながら墨の在庫が出てきます。処分されることもあるのかもしれませんが、一部既存の墨屋さんが受け継いだりもしています。何十年も前に他の墨屋さんで作られた墨が渡り渡って当工房の倉庫に眠っています。そんな墨に対し、これから何らかしらのスポットを当てていこうと思っています。どういった形でお客様の目の前に出てくるかはもう少しかかるとは思いますが、作られてきた以上、使われないと切ないのは間違いありません。ましてやもの凄い人の手と時間がかかった商品なだけに尚更です。

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