墨作りの製造工程~灰乾燥~
木型に入れ整型されたまだ柔らかい状態の墨を1日寝かしてから、余分なバリを削り取り、灰の中に漬け込み乾燥させていきます。およそ小さいもので2週間程度、大きなものだと1か月程度入っています。灰の木桶の中にまずは新聞紙を引き、隙間なく墨を置き、その上にまた新聞紙を置き、最後に更に灰を被せます。1日~3日おきに墨を取り出し、水分で湿った灰を新しい灰と入れ替える為、別の木桶の中に同じ手順で再度墨を入れ替えていきます。灰はくぬぎの木灰を使っており、灰乾燥の部屋にある錦光園の木灰は先代以前から代々使用している灰のままです。それを何度も乾かし、何度も何度も再利用していきます。これだけの木桶に灰が大量に入っていますが、今となってはここまで使用する事はありません。それほど昔は生産量が大きかったって事ですね。今は墨の需要減からどの墨屋さんも生産量は落ちています。またいずれ、この灰の中一杯に墨が入れる日を目指して頑張らないといけないなと思う今日この頃です。
写真は灰乾燥の部屋です。何個も木桶が積み重ねられており、どこにいつ何を埋めたか日付管理がされています。写真では視界は良いですが、密室で行う為、作業中は灰が部屋中を覆ってしまい前が見えにくくなります。よくこの中を見せて下さいという方がおられるのですが、普通の格好では灰まみれになるので絶対に無理ですね。全身を覆うカッパのようなものがあればなんとか入れるかもしれませんが 笑
製造工程に関しては当WEBサイト内の以下のページにも記載していますので是非見て下さいね。
◆錦光園WEB「工房紹介と製造工程」