七代目の挑戦

墨の木型を洗う

「「少し前の話ですが、春先「に製造シーズンが終わり、それまで使用していた木型は夏場に一度しっかり洗い、汚れを落として次のシーズンに向けて乾燥させておきます。如何せん、墨の原材料に膠を使用しており、その成分が木型に付着している為、そのまま放置していると必ずカビが生えてきます。洗う際は墨の木型の繊細な模様を傷つけない為に、柔らかいもので洗っていくのですが、墨の汚れは中々落ちない為、丁寧に時間をかけて洗っていきます。また木型は「胴」・「蓋」・「ちぎり」という部品から成り立っており、洗う際には部品毎バラバラにする必要があるので、どこに何の部品があるか分かるようにして洗わないと後々、組立てる際に面倒になってきます。

それを防ぐ為に錦光園では数種類の桶や容器に10個程度の木型を入れ、グループ分けした後そのグループ毎に木型を洗い、乾燥させる際もそのグループ毎に分けて部品の組み立てが混乱しないようにしています。下記は洗い終わった木型を乾燥させている所です。こうして墨の木型は何年も何十年も繰り返し使用されていきます。洗い終わって数か月後、また次のシーズンに向けて木型達はその出番を静かに待っているのです。

 

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