七代目の挑戦

大切な朝の時間

冬の製造時期では毎朝3時頃に起きているせいもあり、シーズンオフとなったこの時期でも同じような時間に起きてしまいます。この時期だからこそ、製造シーズンに出来ないような事務作業や今後のことを考える時間に早朝の時間はあてています。作ることに関しては目標が定まりそこに向けてガンガン作業していくだけですが、事務作業はともかく、今後のことをあれこれ考えながら整理していく作業は今の身体が浮いて落ち着いたこの時期だからこそ出来ると思っています。

 

思い起こせばこの数年、墨作りの作業と同じくらい時間をかけて、むしろそれ以上に「考える」作業に時間を費やしてきました。内容は墨作りのこと、家のこと、産地のこと、職人さんのこと等など、物凄く多岐に渡ります。おかげでこの数年で大分と自分が進むべき道、錦光園が進むべき道が見えてきました。この時期、朝の開店時間と同時に数時間近く、近くのカフェや興福寺五重の塔の下、猿沢池の周りのベンチでボーっと前述のようなことを考えては無造作にノートに書き込み、それらを日にちをかけてゆっくり整理していくような事を続けています。朝の出勤時間なので会社務めの方が黙々と歩かれているのを見て、若干罪悪感(?)的なものも感じるのですが、これはこれで自分の仕事の核をなすと思っており、ずっと続けている次第です。

 

それら考えた成果を少しずつ、世に出しつつ、来シーズンの墨作りも目標と面白味をもって始めていきたいなと思っています。

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