昨年の振り返りと新年のご挨拶
2021年はまさに激動の年でした。
コロナ禍で世の中が閉塞的になり、錦光園とのしての動きもかなり縮小してひっそりとしていくのかと思いきや、実際は全くの正反対。
恐らく、過去5年で最も活動的に動いたといってもいいぐらいの年だったと思います。
考える時間も動く時間もたっぷりあったからというのもありますが、今後の錦光園や自身の活動を大きく見つめなおす良い時間でした。
ただその中でとてつもなく大きかったのは沢山の方とのご縁を頂けたこと。
■『オンライン墨づくり体験』
20年の12月から開始した同体験。それまで工房で行っていた墨づくり体験のノウハウも踏まえながら、より「墨を伝える」というテーマのもと、オンラインによる墨づくり体験をスタートさせました。
材料等が入ったキットを事前にお客様のもとへ送り、実際に墨の講義も踏まえながら墨づくりの体験を行い、かつ産地の現状なども知って頂くリアル以上に中身の濃い1時間40分程度の内容。
当初、オンラインでこんな体験出来るのかなと思い、躊躇していたところもありましたが、外部の協力者からの多大なご助力により、なんとか実施にまで漕ぎつけれました。
リモートの特性を活かし、複数人を対象として同時に進行させる予定をしていましたが、すぐに個人対象に切り替えました。
やはり「伝える」ことを念頭におくと、個人の方がじっくり質疑応答も出来ますし、参加者の方が気がねなく体験出来るのが比較的早い段階で分かったからです。
その分、通常体験自体は1時間40分程度なのですが、前後のお話や質疑応答、話が弾み、人によっては3時間強など続けている時もありました。
ただこの体験を受けて頂いた方々とはその後も何かとご縁が続いており、ただただ嬉しい限りです。
オンライン墨づくり体験「奈良墨職人」の詳細はこちら
https://kinkoen.jp/nsshokunin/
■『クラウドファンディング』
元々、墨の普及の為の活動資金や新商品開発費を本業の売上から捻出していたのもありますが、肝心の本業がコロナ禍によるダメージでそれどころではなくなってきた状況を踏まえ始めたのがクラウドファンディング。
少しでも産地の底上げをしていきたいという自身の活動の根本も踏まえながら、掲載させて頂いたところ、当初の想定に対し、約10倍の応援額、人数にして454人もの方々からの応援を受けました。
ただただ感謝と共に、自身の考えに賛同して下さった方の数の多さにびっくりしました。
ただ集まった応援額以上に、今に続く沢山の方とのご縁も頂きましたし、近い将来の行動にも大きく影響を与えてくれました。
リターン品においては1か月近く家族総出で対応してました。掲載記事は以前より錦光園内部の仕事をお手伝いして頂いている方の多大な協力があったからこそです。
期中、沢山の方々から励ましも頂き、どうにかリターン品を送らせて頂き、最終報告出来たのは終了から丸々3か月後。
沢山の方々のご助力で走り抜けれましたが、本当の動きはここからだと思っています。
クラウドファンディングの詳細はこちら(※実施期間は終了しています)
https://readyfor.jp/projects/64365
■『おはじき墨』
墨の形を整える墨木型は「墨屋の魂」といっていいぐらい大事なもの。
工場内の段ボール箱の中には、廃業した他の墨屋さん等の墨木型が大量に眠っています。
それら木型にもう一度活躍の機会を与えてあげれないかなと思い、仕事中に何気なく試作をしていたとある墨。
たまたまその墨をSNSで投稿した際に、びっくりするぐらい沢山の方々から欲しいというリクエストがきました。
製造シーズン終了間近だった為、慌ててある程度の数だけ造りました。「おはじき墨」の誕生です。
普段は決して作ることのない小さな小さなおはじき状の墨。送らせて頂いた方々からの沢山の方からの声や楽しんでいる様子も写真で送って頂き大変有難かったです。
昨年はまだ試作段階で、一部の方限定でお譲りしましたが、今シーズン改めて正式に製造しています。
内容、品質、パッケージなど、皆様に更に喜んで頂ける、そして楽しんで頂けるようなものを製造中ですので是非お待ちくださいね。
なお、販売は6月の予定です。
■『オンラインによる学校授業』
墨を造るだけでなく、伝えるということも自身の活動の大きなテーマ。
オンライン授業が爆発的に流布したタイミングもあり、従来に比べ伝達手段が非常に大きく拡大しました。
その最中、とある学校から墨づくりに関する質疑応答をしたいという問い合わせがきました。
丁度オンラインによる体験を始めていたこともあり、オンラインによる授業形式で行うことになりました。
特に大きな問題なく、墨づくりの実演や講義を中心に生徒からの質疑応答などもスムーズに行うことが出来て手ごたえを感じました。
その授業をきっかけに実施の様子は新聞に取り上げられ、SNSなどを通じてその後も複数校から依頼が続き、最近では地元の学校からの依頼も来るようになりました。
墨の衰退はやはり学校教育現場からの使用が激減したことが大きな要因になっていると思います。
それ故、今の若い方やその方達を指導する先生方に対し、墨の魅力を対面とオンラインの両輪から少しでもお伝えしていくことが出来ればと思っています。
墨づくりの材料を学校に送らず、講義・質疑応答・製造実演見学だけでしたらボランティアで行っていますのでご興味のある学校関係(書道関係者含む)の方々はいつでも連絡をお待ちしております。
■『SNSでの繋がり』
最初は墨屋さんの黒ずくしの投稿ばっかりしていて誰か見てくれるのかな?と思っていましたが、徐々に見てくれる方も増え、「いつも拝見させて頂いてます」と沢山の声を頂くようになりました。
沢山のリアクションを頂くとこちらも楽しくなってきますね。
なんやかんやで今日に至るまでほぼ毎日、Twitterを中心に楽しみながら投稿させて頂いています。
何より嬉しかったのはSNSで繋がった方々から沢山のお手紙やプレゼントを頂いたこと。そして工房に直接会いに来て下さったこと。
オンラインも悪くないのですが、やはりリアルに勝るものはないですね。小さなご縁から直接会いに来て頂けたのは本当に嬉しかったです。
そして以前からお伝えしていた通り、製造シーズンが終わる5月以降はこちらから皆様の地元へ感謝の意も含め出向かせて頂きたいと思っています。
更に多くの方々とお会い出来るのを楽しみにしています。
他にも沢山の出来事や出会いがあったのですがここでは全て書ききれません。
それだけ濃密過ぎる1年間でした。
21年に頂いた沢山の出会いやご縁を大切にしつつ、22年は更に上回るご縁を楽しみに「墨づくり」、「墨づたえ」に勤しんでいきたいと思っています。
皆様、本年もよろしく願いします。
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