墨が鳴く
墨の乾燥途中や、それ以外でも保管状態が悪い場合、墨から「ピキッ」という音が出てくる場合があります。自分達はこれを「墨が鳴く」と言ってますが、これは急激に乾燥しすぎたり、温度が高すぎたりした際に、墨の表面や内部に割れが生じる音です。また墨の仕上げの工程において、墨の表面を水洗いしたり、表面に上薬等を塗る場合があります。当然、表面に水分を含みますので、仕上がり後はじっくりと1ヶ月ほど乾燥させておく必要があります。先日、一部の墨の彩色をする際に、用意していた墨を若干温度の高い工房内に置き忘れていて一部の墨がヒビ割れしていました。せっかくの関羽像の頭に亀裂が・・・当たり前の話ですが、大事に作った墨を大事に扱わないといけないですね。非常に反省しています。