一刃入魂
墨の模様でもよく散見される松の木。錦光園の墨の中でも松の木が描かれている墨がいくつかあります。先日、師匠の中村さん宅にお邪魔した際、過去の墨型の図面のもとになっている墨譜を見せて頂いたのですが、その中にも描かれていた松の木。「これは彫るのそんなに難しないねん」と中村さんは仰ってましたが、心の中で「いやいやいや」と思ってました 笑 現在彫っているものが終われば次の宿題とのことですが、現在宿題の彫刻も悪戦苦闘中。本当に大変作業です。こういったものを見ていれば大変なのは分かってはいるのですが、すぐに新しいものを彫りたいなと思ってしまいます。ただし今、触っているものでさえ、まだまともに彫れていないのに先にいこうとするのもお門違いなのは重々承知しています。はやる気持ちを抑えて、まずは今作業中のものにしっかりと取り組んでいきたいと思っています。中村さんがよく言われる言葉が「一刀入魂」。その名の通り、木型を彫る際の一刃一刃に魂込めて目の前の木型を仕上げていきたいと思っています。