七代目の挑戦

墨の試し磨り

墨屋なだけに、自社だけでなく色々な場所で作られた墨が工房には多々転がっているのですが、最近は時間のある時にそれらを比較する為に、墨の試し磨りをしています。もう既に廃業された墨屋さんや現役バリバリの最寄りの素晴らしい墨屋さんに至るまで中身は様々。擦り心地の違い、サラっとしてるものから原材料である膠が多いせいかベタつくもの、同じ水の量でも全く濃淡の幅が違うものなど、本当に様々。どれもがこれが良いとは一概に言えないのは間違いないのですが、書く専門の方達にそれを見極めて自分のお気に入りを見つけるのはいつになるのでしょうか。僅か数種類の墨を磨っているだけでもそれは思います。そういった方達にご提案する墨は勿論なのですが、それ以上にこれから墨に触れる方達になんとか墨の魅力をお伝え出来ないかを日々同時に考えています。まずは墨を磨ってもらう仕掛けをが大切。それほど墨は今の時代からかなり身近ではない存在になりつつあります。その距離を少しでも縮めていく為に、墨を磨りながらこれから更に考えていきたいと思っています。

 

 

 

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