煤と膠の撹拌 その2
昨日、煤と膠の撹拌の話をしましたが、撹拌室では煤を撹拌機に投入する際、また膠との撹拌中に当然のことながら煤が舞いあがります。煤の粒子は目に見えないぐらい細かく、いざこの作業をするとあっという間に顔中真っ黒になります。顔が真っ黒になるだけならいいのですが、空気中にも煤が舞っているので、作業しているとその煤を吸い込み続けてしまいます。マスクを二重にして作業をしているのですが、それでもほとんど効き目がないぐらい煤を吸い込んでしまいます。その証拠に作業が終わってから鼻をかむと鼻水が完全に真っ黒になっています。灰に吸い込んでいる分、せきをしたり、唾を吐いたりしても当然、煤の黒さが混じって出ていきます。墨作りの仕事は寒い時期の体力仕事なところは勿論ありますが、こういう独特の大変さもあって仕事に従事する人が減ってきているのかもしれません。